科目名 法医学
責任者名 奥田 貴久(法医学 教授)
学期 前期
対象学年 4学年
授業形式等

◆担当教員

奥田 貴久 ( 法医学   教授 )
山口 るつ子 ( 法医学   准教授 )
鉄 堅 ( 法医学   専任講師 )
千葉 正悦
美作 宗太郎 ( 法医学 )
大野 曜吉
網干 博文

時間

行番号講義演習実習
24

一般教育目標(GIO)

 保険・医療・福祉の社会性とその中で果たす医師の様々な役割やリーダーシップを理解するために,基礎的且つ重要な生存権や安全・健康に生活する権利等とそれらを裏付ける法律や生命倫理に関する問題に対して医師の立場から観察して考察し解決策を提示して社会の秩序や治安の維持に貢献する法医学の基礎を修得する(DP2 + DP4 + DP5 + DP6 + DP7)。

行動目標(SBOs)

1) 法医学の定義と,法医学が扱う内容について説明できる。
2) 死体現象,損傷と受傷機転,窒息,異常環境による死について説明できる。
3) 中毒の所見や検査法等について説明できる。
4) 血液型・DNA型による法医学的社会貢献について説明できる。
5)虐待に関する基本的事柄を説明できる。
6)自殺と他殺の鑑別の基礎を説明できる。
7)日本の死因究明制度について諸外国と比較して説明できる。
8)個人識別の方法について説明できる。
9)因果関係を考慮して死因や死因の種類を判断できる。
10)法医画像診断の有用性について説明できる。

目標達成のための授業方法(LS)

・コース関係教員の他、外部講師の講義を受講する。
・講義は予定表に基づいて行う。
・講義は主として対面授業で行い、必要に応じてオンデマンド講義、オンラインでLive配信講義を行う。
・各講義では前日までに資料を アップロードするので講義までにダウンロードし、聴講する。
・確認テストで出席をとる。

DP・CP

ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)

【DP1:自ら学ぶ】「教養・知識に基づく高い倫理観」 
生命に対する尊厳を持ち,責任ある医療を実践するための豊かな教養と医学の知識を修得し,倫理的原則に基づいた医療を実践できる。(医師としての職責・倫理観とプロフェッショナリズム) 

【DP2:自ら学ぶ】「保健・医療・福祉の社会性を理解して,世界の現状を理解し,説明する力」 
自己の専門領域の文化的・社会的位置付けを把握し,地域社会及び国際社会の保健・医療・福祉の現状を理解して,疾病予防と健康増進の向上に寄与することができる。(疾病予防と健康増進・医療の社会性) 

【DP3:自ら考える】「論理的・批判的思考力」 
新たな知識の創造をめざし,得られる情報を基に実証的・論理的な思考,及び批判的な思考ができる。(科学的探究・医学研究への志向・医学的知識と問題対応能力) 

【DP4:自ら考える】「問題発見・解決力」 
患者に対して思いやりと敬意を示し,基礎・臨床・社会医学領域において,自らの立場を基に,事象を注意深く観察して,問題を発見し,解決策を提案することができる。(診療技能と患者ケア・科学的探究・問題対応能力) 

【DP5:自ら道を開く】「挑戦力」 
医療の基盤となる基礎・臨床・社会医学等の知識を基に,新しい医学知識や医療技術の創造に果敢に挑戦することができる。(医学知識と問題対応能力・科学的探究) 

【DP7:自ら道を開く】「リーダーシップ・協働力」 
患者とその近親者,及び医療チームを尊重し,医療の質の向上と患者の安全管理を確保するために,責任ある医療を実践する上でのリーダーシップ・協働力を身に付ける。(チーム医療の実践・プロフェッショナリズム・医療の質と安全管理) 

カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

CP1:「教養・知識に基づく高い倫理観」を涵養するために
医師を目指すものとしての自己を評価し,生涯にわたって向上を図ることの必要性と方法を理解する機会を与え,医師としての職責・倫理観とプロフェッショナリズム(態度,考え方,倫理観など)を育てる。

CP2:「保健・医療・福祉の社会性を理解して,世界の現状を把握し,説明する力」を涵養するために
国内外の現状を理解し,情報収集を行う能力と幅広い教養,豊かな感性,及び最新の情報を発信する能力を養い,疾病予防と健康増進の向上に寄与する姿勢を育てる。

CP3:「論理的・批判的思考力」を涵養するために
知識を積極的に習得し,科学的評価・実証を行い,倫理的原則に従い研究計画を立案し,新たな知見を生み出すための科学的探究・医学研究への志向・医学的知識と問題対応能力を育てる。

CP4:「問題発見・解決力」を涵養するために
患者に対し思いやりと敬意を表し,個人を尊重した適切で効果的な医療と健康増進を実施するため,患者ケアに必要な診療技能と科学的探究・問題対応能力を育てる。

CP5:「挑戦力」を涵養するために
自らの知識と技術を研鑽し,未知・未解決の臨床的あるいは科学的問題を意識し,解決のための仮説を立て,果敢に取組む姿勢を育てる。

CP7:「リーダーシップ・協働力」を涵養するために
医療・研究チームで協同して活動し,医療の質の向上と安全管理を確保するためのチームリーダーとしての役割を果たすことができる資質と能力を育てる。

準備学習・授業時間外の学習

準備学習
教科書・講義資料にて予習をし,疑問点を挙げて整理する。

成績評価基準

(評価の方法 及び 試験の範囲)
法医学試験と確認テストの合計で評価する。

教科書・参考図書

教科書 
「NEWエッセンシャル法医学」第6版  医歯薬出版

オフィスアワー

行番号担当教員備考
  • 奥田 貴久
土・日・祭日や不在・連絡が取れない場合にはメールで問い合わせること

その他(注意事項)

 

備考

【実務経験】
奥田貴久:法医解剖実務はもちろんのこと、アルコール医学の基礎研究も行っています。臨床医として病院勤務の経験や専門医資格も有しますので、学生諸君が社会に出てから必要となる事柄をわかりやすく指導します。

鉄 堅:中国医科大学卒業。法医血清学(血液型・DNA等を扱う分野)のスペシャリストとして、社会的にも注目を浴びた種々の事件の鑑定実務にたずさわった経験を持っています。その経験を交え、医学にと留まらぬ科学知識を集結した「法科学」の考え方、科学的な証拠の組み立て方を講義します。

千葉正悦:聖マリアンナ医科大学特任准教授。法医学分野のDNA多型、個人識別、薬物動態(薬物トランスポーター)などを専門とし、実務経験に基づいた講義を行います。

網干博文:日本大学歯学部法医学教授。名古屋空港中華航空機墜落事故(平成6年)やスマトラ沖大地震(平成16年・17年)によるスリランカでの津波被害者の身元確認作業などに携わってきました。歯と個人識別・多数死体事故について、実務経験に基づいた講義を行います。

大野曜吉:日本医科大学名誉教授。沖縄トリカブト事件について、実務経験に基づいた講義を行います。

美作宗太郎:秋田大学医学部法医科学講座教授。本学卒業。嬰児殺、SUDC、児童虐待について実務経験に基づいた講義を行います。

授業日程表

行番号月日曜日時限講義名・回講義内容学修到達目標コア・カリキュラム所属担当
6.21
3
法医学概論
【事前学習】教科書・参考図書で右記学修到達目標を予習する(30分)
【事後学習】右記項目を説明できるようにする(30分)
法医学の概念について説明できる。
B-2-1)死と法
E-9-1)生物的死と社会的死
法医学
    奥田 貴久
6.21
4
死体現象
【事前学習】教科書・参考図書で右記学修到達目標を予習する(30分)
【事後学習】右記項目を説明できるようにする(30分)
早期死体現象・晩期死体現象・特殊死体現象について説明できる。
B-2-1)死と法
E-9-1)生物的死と社会的死
法医学
    山口 るつ子
6.21
5
損傷・頭部外傷
【事前学習】教科書・参考図書で右記学修到達目標を予習する(30分)
【事後学習】右記項目を説明できるようにする(30分)
創傷の種類や成傷機序を説明できる。
A-3-1)全人的実践的能力
B-2-1)死と法
D-2-4-(4)頭部外傷
法医学
    奥田 貴久
6.21
6
血液型とDNA型
【事前学習】教科書・参考図書で右記学修到達目標を予習する(30分)
【事後学習】右記項目を説明できるようにする(30分)
個人識別手法の1つである法医血清学の基礎を説明できる
C-1-1)-(2)ゲノム・染色体・遺伝子
F-2-13)輸血と移植
G-3-2)検査手技
B-2-1)死と法
法医学
    鉄 堅
6.21
7
DNA鑑定
【事前学習】教科書・参考図書で右記学修到達目標を予習する(30分)
【事後学習】右記項目を説明できるようにする(30分)
DNA鑑定を行った代表的事件について説明できる
B-2-1)死と法
C-1-1)-(2)ゲノム・染色体・
法医学
    千葉 正悦
6.22
1
交通外傷
【事前学習】教科書・参考図書で右記学修到達目標を予習する(30分)
【事後学習】右記項目を説明できるようにする(30分)
交通外傷の特殊性を説明できる
A-3-1)全人的実践的能力
B-2-1)死と法
法医学
    奥田 貴久
6.22
2
法中毒学総論
【事前学習】教科書・参考図書で右記学修到達目標を予習する(30分)
【事後学習】右記項目を説明できるようにする(30分)
薬物・毒物による中毒のメカニズムや診断に関する基礎を説明できる。
B-2-1)死と法
C-3-3)生物と薬物
E-5-1)診断と検査の基本
E-5-2)症候
E-5-3)-(1)中毒
D-15-3)疾患・障害
法医学
    奥田 貴久
6.22
3
トリカブト事件
【事前学習】沖縄トリカブト事件の再現VTRを視聴する(30分)
【事後学習】右記項目を説明できるようにする(30分)
トリカブト事件に用いられた時差トリックについて説明できる。
E-5-3)-(1)中毒
D-15-3)疾患・障害
E-5-2)症候
C-3-3)生物と薬物
法医学
    大野 曜吉
6.22
4
嬰児殺
SUDC
【事前学習】教科書・参考図書で右記学修到達目標を予習する(30分)
【事後学習】右記項目を説明できるようにする(30分)
嬰児殺、乳幼児に関する予期しない突然死について説明できる。
B-2-1)死と法
E-7-)胎児・新生児
E-7-2)乳幼児
E-9-1)生物的死と社会的死
法医学
    美作 宗太郎
6.22
5
小児虐待
【事前学習】教科書・参考図書で右記学修到達目標を予習する(30分)
【事後学習】右記項目を説明できるようにする(30分)
児童虐待への対応について説明できる。
B-2-1)死と法
E-9-1)生物的死と社会的死
B-4-1)医師に求められる社会性
E-7-3)小児全般
法医学
    美作 宗太郎
6.22
6 ~ 7
窒息・溺水
【事前学習】教科書・参考図書で右記学修到達目標を予習する(50分)
【事後学習】右記項目を説明できるようにする(40分)
窒息のメカニズム、症状、死体所見について説明できる。
頸部圧迫による窒息について説明できる
溺水について説明できる。
B-2-1)死と法
B-4-1)医師に求められる社会性
E-9-1)生物学的死と社会的死
法医学
    山口 るつ子
6.23
1
法医学で扱う内因死
【事前学習】教科書・参考図書で右記学修到達目標を予習する(30分)
【事後学習】右記項目を説明できるようにする(30分)
法医学で扱う内因死が多岐に渡ることを理解し、説明できる。
B-2-1)死と法
E-9-1)生物的死と社会的死
B-4-1)医師に求められる社会性
法医学
    奥田 貴久
6.23
2 ~ 3
親子鑑定・物件鑑定(血痕・斑痕からわかること)
【事前学習】前日の講義内容を復習し、加えて教科書・参考図書で右記学修到達目標を予習する(45分)
【事後学習】右記項目を説明できるようにする(30分)
法医学実務の1つである、親子鑑定や物件鑑定について説明できる。
B-2-1)死と法
C-1-1)ゲノム・染色体・遺伝子
F-2-13)輸血と移植
G-3-2)検査手技
法医学
    鉄 堅
6.23
4
異常環境による死
【事前学習】教科書・参考図書で右記学修到達目標を予習する(30分)
【事後学習】右記項目を説明できるようにする(30分)
異常温度による外因死(熱傷・焼死・凍死など)について説明できる。
入浴中の突然死について説明できる。
B-2-1)死と法
E-5-3)-(2)環境等による疾患
E-5-3)-(3)熱傷
法医学
    奥田 貴久
6.23
5
日本の死因究明制度
【事前学習】他科目で学んだ各種疾患と臼歯の関係について、教科書・参考図書で右記学修到達目標を予習する(30分)
【事後学習】右記項目を説明できるようにする(30分)
わが国の死因究明制度を理解し、解剖の種類や監察医制度の歴史、死体検案業務について説明できる。
B-2-1)死と法
B-2-2)診療情報と諸証明書
E-9-1)生物的死と社会的死
法医学
    奥田 貴久
6.23
6
飲酒関連死
【事前学習】教科書・参考図書で右記学修到達目標を予習する(30分)
【事後学習】右記項目を説明できるようにする(30分)
アルコールの身体への影響と社会的問題について説明できる。
B-2-1)死と法
E-5-3)-(1)中毒
G-2-2)全身倦怠感
G-2-4)体重増加・減少
G-2-34)運動麻痺・筋力低下
D-15-3)疾患・障害
D-7-4)-(5)肝疾患
法医学
    奥田 貴久
6.23
7
オートプシーイメージング
【事前学習】教科書・参考図書で生体のCT画像について復習しておく(30分)
【事後学習】右記項目を説明できるようにする(30分)
死亡時画像診断(Ai)の特徴を説明できる。
B-2-1)死と法
F-2-5)放射線等を用いる診断
法医学
    奥田 貴久
6.24
1
歯と個人識別・多数死体事故
【事前学習】教科書・参考図書で右記学修到達目標を予習する(30分)
【事後学習】右記項目を説明できるようにする(30分)
法医学実務の1つである大規模災害時の個人識別について、歯科所見からのアプローチを説明できる。
B-2-1)死と法
日大歯学部法医学
    網干 博文
6.24
2
アメリカの法医学
【事前学習】指定した動画を事前に閲覧しておく(60分)
【事後学習】右記項目を説明できるようにする(30分)
北米の死因究明について説明できる。
B-2-1)死と法
E-9-1)生物的死と社会的死
B-2-2)診療情報と諸証明書
E-5-3)-(1)中毒
B-4-1)医師に求められる社会性
法医学
    奥田 貴久
6.24
3
法医学実習オリエンテーション
翌週行われる法医学実習の説明
 実施内容と注意点の説明を行う
 DNAを扱う実習の説明を受け承諾書を記載する
【事前学習】講義で触れた内容の概要を復習しておく(60分)
【事後学習】実習で行う内容やそれらの手順について説明できるようにする(60分)
実習の目的を説明できる。
DNAを扱う医学研究における倫理的注意点を説明できる。
B-2-1)死と法
B-2-2)診療情報と諸説明書
E-1-1)遺伝医療・ゲノム医療と情報の特性
E-5-3)-(1) 中毒
F-2-3)臨床検査
法医学
    奥田 貴久
    鉄 堅
    磯部 英二
6.26
4
法医学試験
法医学試験
法医学
    • 奥田 貴久
    • 山口 るつ子
    • 鉄 堅
    • 千葉 正悦
    • 美作 宗太郎
    • 大野 曜吉
    • 網干 博文
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